2017年1月9日

2017年1月9日。

このブログの解題。

ネット上で日記めいたものをはじめたのは2001年だったと思う。2000年にカンボジアのアンコール遺跡をテーマとするウェブサイトをつくり、これにリンクするかたちで当時存在した日記サイトで書きはじめた。そのときのタイトルは『トーキョーデーリーライフ』だった。

はじめた理由はよくおぼえていないが、ウェブサイトがなければ単体で日記を書く気にはならなかったと思う。ウェブサイトの賑やかしも意識していたに違いない。

ネットで日記を書くということは当然、読むひとを意識しているわけで、文学の一形態としての日記文学みたいなものだ。かなり心理的な行為でもあるし、本当のことが書かれるかどうかも怪しい。しかしウソが書かれることはないだろう。

オンラインの日記には、比喩としては適当ではないけれども、国家がつくる正史みたいなかんじもある。正史には国家の都合の悪いことは書かれないし、時として捏造も織り込まれるが、一定の知識と分析を踏まえて、そこからある程度「本当のこと」を読み取ることができる。オンラインの日記の読み方も、似たところがあるのではないだろうか。

最初のオンライン日記はおそらく2004年頃まで続けて24万字くらい書いた。2005年にはブログをはじめて2012年までに120万字くらい書いた。

ブログの内容は日記的ではなかった。むしろなにかを書くための調査メモとか、下書きとか。そういう色彩が強くなったし、実際、『沖縄幻視行』(2012年刊)はブログに書いたメモを下敷きにしている。

ブログのあとはfacebookに行った。facebookでは文章を書くというよりも写真を載せることが多くなった。

つまりここ4、5年のあいだ、日記めいたのは書いていないことになる。

それがまたちょっとやってみようかと思ったのは、ひとつにはfacebookは閉じているということがある。facebookをここ5年くらいやってきて、そろそろ目先を変えたくなったというのもある。

ここではいわゆる日記サイト的な書き方をしたいと思っている。facebookだと長文にならないように気をつけるところを、こっちなら気が向けばいくらでも書くぞというかんじ。他人がわからないような極私的な内容でもいいだろう。ようするに自由に書く。

さてと。